前回に引き続き、「ショーシャンクの空に」について書いてみる。
Yahoo!映画での評価は概ね高かったのだが、思った通り、一部批判している人がいた。
意見は人それぞれだから、もちろん批判するのは構わないのだが、自分の好きな映画を批判されるのも、なんだか癪に障るので、何故批判されるのかを考えてみた。
まず、最初に言っておきたいのは、「ショーシャンクの空に」は、ドキュメンタリーでは無いということだ。
「ショーシャンクの空に」に対して、実物同様のリアリティーを求めるのは、野暮なことだと思う。
「ショーシャンクの空に」は、「希望」を描いた映画であって、ドキュメンタリーでは無い。
だから、「囚人が良い人過ぎる」とか、「あそこまで都合良くはいかない」という批判の仕方をするのは、無粋だと思う。
そもそも、映画に「ご都合主義」的な部分が出てきてしまうのは、仕方が無い。
リアリティーばかりを追求して、肝心の「面白さ」が失われてしまったのでは、仕様が無い。
もちろん、あまりに現実離れしたことばかりが起きても、視聴者は映画に入り込めなくなってしまう(アルマゲドンのように)。
しかし、「ショーシャンクの空に」における「ご都合」な部分は、普通に映画を見ている分には気にならない程度だと思う。
「囚人が良い人過ぎる」というのも、主人公達のグループが一番良い人達のグループで、それ以外の囚人は皆そこそこに悪い人なのかもしれないし、実際、「ボグズ」のグループはかなりの悪人として描かれている。アンディーが初めて刑務所に入る時も、囚人達は新しい囚人を使って賭け事をしているし、それなりに「悪」として描かれている。
もしそれ以上のリアリティーを追求すると、今度は、この映画自体が成り立たなくなり、別の映画になってしまうと思う。
また、「あそこまで都合良くはいかない」というのも、それは映画を面白くする為に、仕方のないことだと思う。いや、むしろ、あそこは完璧に物事が進むからこそ、視聴者を驚かすことが出来るし、見ている方がワクワクするのだと思う。
いずれにせよ、この映画のことを批判する人は、
超現実主義者か、
みんなが良い評価をしていると、あえて悪い評価をしたくなる天邪鬼な人か、
あるいは、初めから映画を楽しむ気が無い人、
がほとんどだと思う。
冷静な視点で批判している人は、ほんっっっとうにごく僅かだと思う。
そういう人達(上で挙げた3種の人達)は、映画の欠点を探すことを趣味としているような人達で、映画を「楽しもうと」していない。映画に限らず、音楽・ゲームなどは、褒めようと思えばいくらでも褒められるし、逆に、けなそうと思えばいくらでもけなせる。要は、見る方(聴く方、プレイする方)の意識の問題なのだ。
つまらないと思って見るよりも、面白いと思って見た方がいい。だって、つまらないと思って映画を見ても、時間の無駄だろう。だから、俺は、どんな映画だろうと、初めから「閉じて」見るようなことはしない。初めは「開いて」映画を見て、そして、見ている内に「面白い」のか「つまらない」のかを決めていく。
また、一度見始めた映画は最後まで見るようにしている。
よほどつまらない映画であれば話は別だが・・・(弟切草のように)
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俺は、やはり、この映画のことを批判したくないし、されたくない。
この映画を見終わると、ほんっっっとうに心がスッキリするからだ。
アンディーの真っ直ぐさ、執念、レッドとの友情、そして「希望」・・・。
こういったものに胸を打たれるからだ。
いいじゃないか、「理想」を描くものであっても。
むしろ、現実で出来ないからこそ、映画で「理想」を描くのだ。
この映画は、ツラい時にこそ、見る価値があると思う。
今、凄く落ち込んでいる人や、悩んでいる人は、是非一度見てみたらどうだろう。
きっと、何か感じるものがあるはずだ。
余談だが、この映画を、「泣ける映画、感動作」と位置づけている人がいるらしいが、それは間違っていると思う。言っておくが、この映画は、いわゆる「感動作」では無い。
「泣く」としても、静かに泣くようなものであって、ボロボロ涙を流すようなものでは無い。
「泣く」よりは、むしろ「心が暖かくなる映画」である。
ツラい時にこそ、勇気付けられる映画である。
色々な・・・何か大切なものを受け取るような映画である。
【追記】
「ショーシャンクの空に」は、期待して見るとつまらなくなる映画らしいので、
見るなら期待しないで見てくれ!(笑)
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